思想・思考

ほとんどの人間関係は、”プレッシャーの応酬”の上に成立している

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とても礼儀正しいといわれる日本人。

しかし、その礼儀正しさは 優しさや気遣いから 生まれるものではありません。

礼儀正しさとよばれるものの ほとんどは、打算から生まれるものなのです。

 

多大なる迷惑をかけても、”デメリットを与える力”を持っていない相手なら、テキトーにあしらう。

 

僕の体験談を、お話します。

(長いし 気分が良いエピソードでもないので、スッ飛ばしてもらっても大丈夫です)

 

 

以前、とある小さな工場に派遣社員としてつとめていた時、取引先(部品を売り込みに来る)のセールスマンが 作業場に よく出入りしていました。

 

・・・ある日、その取引先のセールスマンに、「明日の休日に、我が社が協賛している展示会に来てください。これは あなたの上司からの指示です」という主旨の話をされました。

正直、無賃金で休日の行動を指示されることに腹が立ったのですが、車で片道30分くらいで行ける距離だというので、ドライブすると思って少しだけ顔を出して帰ろうと思って渋々承諾してしまいました。

 

そして、当日 向かってみると、片道30分どころか 片道4時間もかかるほど距離が遠く(引っ越したばかりで地理に疎かった)、そのセールスマンの名刺に書かれた番号に電話をして、遅れることと 明らかな嘘をついたことに対する不満を伝えましたが、全く 申し訳なさそうにするでもなく ぞんざいな態度を取られました。

この時点で、僕の休日はまるまる潰れてしまい、なおかつガソリン代などの出費も5000円を優に超えてしまうことが確定してしまいました。

 

最悪の精神状態で 会場に到着した僕。

しばらくしたら セールスマンから電話がかかって来て、場所を聞かれました。

僕はてっきり、「謝罪して、足代を弁償するつもりなのかな」と思い、居場所を伝えました。

しかし、そこにやってきたセールスマンの態度に、僕は呆れ果てました。

彼は、誠心誠意 謝るでもなく、上から目線でまるで あやす様に接してきたのです。

呆れかえった僕は、セールスマンをほぼ完全にシカトしながら、とっとと帰りたいと思い、一通り見て回っていました。

 

・・・しばらくしたら、セールスマンが呼んだらしく その会社の社長が来ました。

そして社長は、休日を潰してガソリン代まで浪費して来た僕に対し、菓子折り1つで済まそうとしてきました。

申し訳なさなど微塵も感じさせない、完全に人をナメきった対応です。

僕の胸中には もちろん多大なる不満はあったのですが、”取引会社の社長”であったので、派遣社員である僕は 仕方なくあきらめて笑顔を取り繕って受け取るしかなかったのです。

 

つまり、明らかに過失はその会社にあるにも関わらず、全く誠意のないナメた対応をされてしまったのです。

(ちなみに、”あなたの上司からの指示です”というのもウソだったと、後日 工場の上司との会話で判明しました。そして、その取引先は その工場からは出入り禁止にされました。どうでもいいですが)

 

 

・・・しかし、もし僕が相手に”多大なるデメリットを与える力”を持っていたら、相手もこんなナメた対応はしてこなかったでしょう。

僕が、取引する会社を替える権限があったり、もしくは業界で影響力がある人物だった場合は、誠心誠意 謝罪をして菓子折りではなく、しっかりとした形で賠償してきたでしょう。

取引停止されたり、悪評を広められるリスクを最小限に防ぐために・・・。

 

しかし、派遣社員で 相手に デメリットを与える力を持っていない派遣社員の僕に対しては、本っ当にぞんざいな対応で済ませようとしてきました。

結局、礼儀や筋などは ”デメリットを与える力”を持たない相手に対しては、考慮されないのです。

 

最大手自動車メーカーのT社が 下請けイジメをするのも、日本国家が国民に負担を強いる政策を 次々実行するのも、「国民は ”デメリットを与える力”を持たない」と 認識されているからなのです。

 

日本人の礼儀正しさのルーツは、
「武士が”無用な争い”を避けるため」「”村八部”を回避するため」

 

日本人の礼儀正しさの起源は、2つあります。

 

武士が”無用な争い”を避けるため

 

日本には 10世紀から19世紀にかけての武士が存在しました。

当然、武士は 真剣&剣術 という暴力=”物理的デメリット”を与える手段を お互いに持っています。

当然、そんな即死させることもできる手段を持っている相手と、無用な争いをしても、お互い多大な損をするだけです。

なので そんな無用な争いを避けるために、礼儀作法が発達したのです。(武術全般にいえますね)

 

”村八部”を回避するため

 

海に囲まれた島国であり、国土の約73%は山地で占められていて交流が困難だった日本は、古来より 他の村との交流が少ない時代が続きました。

そのため、小さな村社会の中では 嫌われないために努力することが不可欠だったのです。

もし、嫌われたら村八分”にされてしまうからです。

 

村八分(むらはちぶ)とは、村落(村社会)の中で、掟や秩序を破った者に対して課される制裁行為であり、一定の地域に居住する住民が結束して交際を絶つこと(共同絶交)である。


wikipediaより引用

 

まあ、”のけ者”にするということですね。

共通の敵にされてしまうのです。

つまり、掟や秩序を破った者に対する 村八分にするという精神攻撃=”精神的デメリット”を与える手段を お互いに持っていたのです。

 

もし、誰かの機嫌を損ねたりしたら 悪いウワサを広められる恐れもあるのです。

しかも、小さな集落の中ですから、悪いウワサはあっという間に広まってしまいます。

そうなると、協力してくれなかったり 嫌がらせをされたりして、いずれはその地を出て行かなくてはなりません。

 

そのような事態を予め回避するため、村八分にされないための”自衛策”としての、礼儀正しさを重視せざるを得なかったのです。

 

プレッシャーの応酬の上に成り立つ人間関係は、いつ寝首を掻かれるか分からない

 

日本社会では、ごく一部の親しい人間との関係を除けば、ほぼ全てが”プレッシャーの応酬の上に成り立つ人間関係”です。

特に、派遣社員として働いている人は、その人間関係のドス黒さに辟易している人も多いでしょう。

打算から生まれる人間関係ですので、いつ裏切られるかわかりません。

そんな人間関係の中で 長年働いていたら、いつか慢性化しすぎたストレスにより、精神に異常をきたす恐れもあるのです。

 

なので、そのような”打算から生まれる職場の人間関係”を、絶対に抜け出すべきです。

・・・その手段は、明確です。

「雇われずに、自分で稼げばよい」のですから。

 

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