日本人は、物を盗まない民族とされています。
僕は、海外の国に旅行に行ったときは、空港のスタッフに5000円を騙し取られたり、ゲストハウスの従業員に 部屋においといた小物をパクられたりした体験があります。
しかし、日本においては そんな事は起こることは考えにくいでしょう。
治安の良い日本においては、無用心でいても お金やサイフといった”目に見える価値”を盗まれることなどは ほとんどないのです。
”お金・サイフ”は盗まないが、”時間”を盗みまくる
日本の職場は、始業時刻にはとても厳格です。
1秒でも遅れたら 15分間分の給料がカットされてしまいますし、上司に報告・謝罪したりしなければなりません。
しかし その反面、終業時刻は守りません。
終業時刻を過ぎても労働をすることを要求されることも多々ありますし、休憩時間の作業やサービス残業も 要求してくる職場も非常に多いです。
日本企業は、平気で”時間”を盗むのです。
”身体”を傷つけることは しないが、”精神”を 平気で傷つける
礼儀正しくマナーが良い民族として知られる日本人。
当然、職場で どんなに怒りを感じたとしても 相手を殴ったりする場合は、ほとんどありません。
日本人は、”物理的暴力”を行使することは ほとんど皆無なのです。
しかし、ターゲットを決めて 集団で嘲笑したり、悪口を言って プライドを傷つけ、恥をかかせることに関しては、まるで息をするかのように自然に行われています。
日本人は、”精神的暴力”を 悦楽・娯楽として 当然のように行使しています。
・・・日本人は、平気で”他者の尊厳”を奪うのです。
筋や道義などない。
あるのは ”メリットとリスクを天秤にかける”事だけ
日本人は、”目に見える価値”である お金・サイフを盗んだり、身体を物理的に傷つけることはしません。
これは、決して日本人が優しいのではなく、法律により重罰が課されるリスクを恐れているのです。
日本では、窃盗罪に対しては 10年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられてしまうのですから。
実例として、とある寺の地蔵前に置かれた賽銭10円を盗み、1年の実刑判決が課せられたケースも存在します。
また、相手を殴ったら、暴行罪として殴った側の立場が圧倒的に悪くなってしまいます。
そのリスクを回避しているだけなのです。
しかし、時間や尊厳などは ”目に見えない価値”です。
日本では、他者を精神的に傷つけても 法律的に罰則などは課せられませんし(”自殺”という目に見える結果を引き起こした場合は別)、終業時刻は守らなくても摘発される企業はほんの一部です。
つまり、多くの日本人は 筋や道義などを守るのではなく、”得られるメリット”と”リスク”を天秤にかけ 行動を選択しているに過ぎないのです。
日本国家が国民に対し 筋や道義に反した政策をとるように、自分に報復する手段を持たないと判断した相手に対しては、筋や道義などは考慮されないことが多いのです。
自分の価値を 盗まれない人生を
企業に雇われているという弱い立場である限り、一人の労働者が 正しいことを言っても、プレッシャーをかけられて うやむやにされてしまうでしょう。
それに対抗するには、労働者側が一致団結して、プレッシャーをかけ返し 妥協点を探っていかなくてはなりません。
しかし、途方も無い時間と労力がかかる上 満足のいく結果が得られる保証はどこにもありません。
徒労に終わる確率の方が 圧倒的に高いでしょう。
結局、自分の価値を 盗まれない人生を歩むには、雇われずに 自分自身の手で稼ぎ、望まない人間関係を脱するのが有効で確実なのです。