「NOと言えない日本人」というフレーズは有名ですよね。
本来は嫌な 頼みごとをされた時でも、断りきれずに しぶしぶ引き受けてしまう人が 日本人には多いのです。
しかし、これは とてもストレスが溜まる習性であると言えます。
単純労働では、命令には反射的に「YES」
僕は、もともと派遣社員として 工場で働いていました。
工場のおいての労働内容は、そのほとんどが単純作業の繰り返しで構成されています。
派遣社員として色々な工場を転々と回っても、頭を使うのは 作業手順を覚えるときだけです。
そして 手順を覚えた後は、頭を働かせることが少ない 単純労働を繰り返します。
ひたすら 決められた手順を正確になぞり、ミスなく完璧にこなすことが求められるのです。
もちろん、上司から「あっちのポジションに入ってくれ」などと 言われた命令に対しては、即座に「YES」と答えなければいけません。
特に 立場の弱い派遣社員などは、正社員から命令されることが多いので、仕事中はどうしても 反射的に「YES」と答える思考回路になってしまいがちです。
考えずに「YES」と言う習慣が、潜在意識まで刻まれていく
給料が発生する仕事中は、命令には 即座に「YES」と答える方が 業務全体が円滑に進みますし、そのような条件反射をしてしまうのは 単純労働をしている上では、当然のなりゆきと言えるかもしれません。
しかし、反射的にYESと答える事を 続けていると、その行動パターンが潜在意識にまで深く刻み込まれていきます。
人間の脳は、↓この様な割合で思考しています。
・自分で意識できる”顕在意識”=5%
・自覚できない”潜在意識”=95%
顕在意識に対し、潜在意識は約20倍もの思考量があるのです。
そして、職場で ”反射的にYESと答えること”をし続けていると、当然 潜在意識にまで その思考パターンが刻み込まれていきます。
潜在意識にまで深く刻み込まれた思考に対し、圧倒的に思考量が少ない顕在意識で抵抗することは とても大きな違和感を伴ってしまうのです。
なので、職場で ”反射的にYESと答える”という思考が潜在意識に強烈にインプットされてしまうので、プライベートな生活をするとき 顕在意識で気持ちの切り替えをしても、約20倍の思考量がある潜在意識に”反射的にYESと答えること”という思考を押し付けられてしまいます。
結果、顕在意識で「NO」と思っても しぶしぶ「YES」と答えてしまいがちに なってしまうのです。
「NO」ということに 罪悪感を覚えてしまう
僕は、よく海外旅行に行きます。
海外の国に行くと、日本人がカモにされやすいという事実を実感することが、とても多いです。
・タクシーに乗ったら、道に迷いに迷った。やっと目的地についたら運転手が「これだけ 頑張ったんだから、2倍の料金を払え!」
・市場に行くと、知らない人がいきなりガイドまがいの事をして、チップを要求してくる。
・飛行機の窓側の席でウトウト。修学旅行中の外国人学生たちの 団体の一人が 僕を起こして、さも当然のように「後ろのクラスメイトと場所を代われ」とジェスチャー。ムカついたので 拒否して再度ウトウトしていると、教員が僕を起こして さも当然のように場所を代わるように再度 要求。背後で生徒がイラついた表情。
↑上記のようなことが、本当によくあります。拒否しましたが、このような人間とは 接するだけで本当に疲れてしまいます。
海外旅行に不慣れな頃は、押し切られて要求をしぶしぶ飲んでしまい、とても悔しい思いをしたことも しょっちゅうでした。
しかし、それらの原因は「NO」という意思表示をしようとする際、激しい違和感を伴ってしまう潜在意識でいることだったのです。
「NOと言えない日本人」の根本的な原因は、日本で労働者をしていることだったのです。
イヤな申し出に「NO」と返答しても、ペナルティの無いライフスタイルを
企業に雇われて 労働する以上、命令などに即座に従わないと 効率が悪くなってしまいますので、なんらかのペナルティを課せられてしまいます。
派遣社員という 単純作業をする労働者である以上、それは仕方の無いことかもしれません。
・・・しかし、一度しかない人生を、そんな 他人の良いように使われてしまう労働者として生きるのは、凄くもったいない事です。
雇われずに自分自身の手で稼ぐことができれば、イヤなことは フツーに拒否することができます。
「NOと言える日本人」になると、世界が広がります。
自分が変われば、その眼に映る世界が 圧倒的に変わるのです。